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治療を受けた動物たち

● 糖尿病

糖尿病10 歳、雄猫のラッキーちゃんは、1 週間前から元気食欲がなく、3 日前からは大好きだった缶詰も食べなくなった。今は、「水ばかりたくさん飲む」との主訴で来院されました。
診察室での身体検査から、かなりの脱水があり、ぐったりしていたことから、血液検査と尿検査を行いました。
血液検査から、血糖値が 413 mg/dl(正常値:80 〜150 )と異常に高く、強く糖尿病が疑われ、さらに尿検査から、糖、ケトン体が検出されたため、重度の糖尿病である糖尿病性ケトアシドーシスと診断しました。
★ 糖尿病性ケトアシドーシスとは
まず糖尿病とは、インスリンが不足することによって、血液中の糖(血糖)がエネルギー源として利用出来ないために、血液中に糖が蓄積し高血糖になってしまう病気です。
糖尿病になると、糖の代わりにケトン体(脂肪が分解されて作られたもの)がエネルギー源として利用されるようになります。この状態が、長期間になるとケトン体は体内に溜まり続け、やがて尿中に排泄されるようになります。これがケトアシドーシスの状態です。
ケトアシドーシスの状態は、命も脅かされる非常に危険な状態です。
すぐにラッキーちゃんは入院が必要であることを飼い主さんに説明し、治療を開始しました。
★ 治療
糖尿病脱水を補正するため 24 時間の点滴を行い、不足したインスリンを緊急的に補うために、静脈からのインスリンの連続投与を行いました。2 時間毎に血糖値を測り、インスリンによる低血糖に注意しながら、インスリンの量を調節していきました。
ラッキーちゃんは、インスリンにうまく反応し 24 時間後には、血糖値は 183 mg/dl にまで下がりました。
次にインスリンを6時間毎に皮下からの投与に変更し、点滴をしながら同じく血糖値のモニターをしていきました。
入院 4 日目には、少しずつフードを食べはじめ、水も自分で飲むようになってくれたために、インスリンを 12 時間毎に皮下からの投与に変更し、点滴を中止しました。
その後、入院 6 日目でかなり元気になってくれため、7 日目に飼い主さんに来院してもらい、インスリンの注射の仕方を覚えてもらい、退院してもらいました。
退院後 3 日の再診では、血糖値 290 mg/dl とまだ高い値でしたが、少しずつ低値に安定してきているようで、すっかり元気を取り戻していました。
今後、定期的に血糖値のモニターをしながら、インスリンの量を調節していく必要があります。
ネコの糖尿病は、基本的には治癒しない病気であるため、生涯に渡ってインスリンの投与が必要になる可能性が高い病気です。しかし毎日のインスリンの投与と食餌管理をきちんと行えば、通常の生活を送ることは十分に可能です。
今回のラッキーちゃんは、異常に比較的早く気づくことによって、かなり早く回復してくれました。糖尿病の初期兆候である、多飲多尿、多食、体重減少に早く気づいてあげることが最も大切であります。しかし、さらに食欲不振や元気消失などが認められた場合は、すぐに病院に連れて行き、検査することをお勧めします。

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