犬でよく遭遇する関節疾患は、股関節と膝関節の疾患であり、膝では膝蓋骨脱臼と前十時靭帯断裂が代表的な疾患です。
膝関節には 5 本の靭帯(膝蓋靭帯、前十時靭帯、後十字靭帯、外側側副靭帯、内側側副靭帯)があり、半月板と相互に働き、膝の曲げ伸ばしが可能となっています。
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★そのなかの、前十時靭帯は、大腿骨(ふとももの骨)に対して、脛骨(すねの骨)が前に飛び出さないように制限すると共に、膝の過伸展を防ぐ機能や、後十字靭帯とねじりあうことによって脛骨が内側にねじれ込まないように支えるという機能を持っています。 |
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★前十時靭帯断裂の発生率の高い犬種は、ラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバー、ロットワイラーなどの大型犬種ですが、最近は、肥満傾向にある中高齢の小型室内犬の発生が増加しています。 |
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前十時靭帯の急性断裂では、肢は負重できず、歩行時には足先を少しだけ着地させるか、完全に挙上させたままになってしまいます。
合併症として、慢性の関節炎や二次性の変形性骨関節症を併発したりすることも多くなります。
診断は膝の触診とレントゲン検査になりますが、微妙な関節のずれになれば、その診断は高度な技術を要します。
治療は運動制限、体重制限、鎮痛剤などの内科的治療と、手術といった外科的治療になりますが、大型犬であれば、手術が必要になることが多いです。
手術方法としては、人工的に断裂した靭帯を再建する方法が一般的ですが、最近大型犬あるいは超大型犬において脛骨高平部水平骨切術 Tibial plateau leveling Osteotomy( T.P.L.O )という手術法が、数年後の再発率も少なく、比較的成績の良い方法として注目されており、米国および欧州では外科専門医を中心に急速に普及してきています。 |
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★脛骨高平部水平骨切術 (T.P.L.O)では、膝関節にかかる力の向きを、その構造から変えるという考え方に基づきます。
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★具体的には、脛骨の骨を丸く切断し、少し角度をつけて、金属のプレートによって固定するという方法です。
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| 従来の方法では、せっかく再建した人工的な靭帯が切れたり緩んだりしてしまうという可能性がありましたが、この方法であれば、膝関節の構造自体を変えてしまうため、数年先の長期的予後が良好と言われています。 |
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この手術方法は、現在 Slocum Enterprises によって保護されており米国獣医外科専門医の場合と同様、手術を行なうためには、米国においての講習及び承認が義務付けられています。
当院の手術は、認定医川田睦によって行なわれます。( 1998 年認定) Slocum Enterprises: http://www.slocumenterprises.com/
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